日本の伝統的な出産祝いを知っていますか?

日本では、出産祝いと言えばおむつケーキや洋服等を贈ったり、お祝い金を包むことが多いのですが、今回は伝統的な出産祝いについてのお話です。ヨーロッパでは生まれてきた赤ちゃんに銀のスプーンを贈るとその子が幸せになるという言い伝えがありますが、日本では「犬張り子」と「でんでん太鼓」が縁起物として古くから出産祝いに贈られてきました。

犬張り子で安産祈願
2妊娠5ヶ月目の最初の戌の日に安産祈願をし腹帯を巻くように、犬は多産で出産が軽いことから昔から安産の象徴とされてきました。そのため、犬張り子は安産や子どもの成長祈願として昔から出産祝いに贈られてきたのです。

その歴史は古く、室町時代には産室に張り子の犬が祀られ、安産を願ったと言われています。張り子というのは和紙でできている伝統工芸品で、竹や木で作った枠に紙を貼付けたものです。中には粘土で型を作ったものもありますが、とても軽いのでおもちゃとしても広く愛されています。だるまや赤べこ、おきあがりこぼしも代表的な張り子人形です。犬張り子は縁起物ですし、軽いので赤ちゃんのおもちゃにも良いですね。

魔除けのでんでん太鼓
3もうひとつのでんでん太鼓は昔から子どもをあやすのに使われてきたおもちゃです。シンプルな太鼓ですが、鳴らしてみると意外と楽しいものです。

「でんでん」という音には悪いものを追い払う魔除けとしての意味もあったそうです。それから、出産祝いに良く贈られる理由としては、でんでん太鼓には裏表がないので、すくすくと裏表のない素直な子に育ちますようにという願いも込められていました。やさしい音のでんでん太鼓は赤ちゃんの初めての楽器にもなりますね。

出産祝いのおまけに、昔から伝わる縁起物の犬張り子や、でんでん太鼓を一緒に贈ってみるのはいかがですか。最近では馴染みがないものなので、由来を一緒に伝えてあげると喜ばれるかもしれませんよ。日本伝統のおもちゃとして、外国人の方に贈るのもおすすめです。

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