世界の出産祝い <インドネシア編>

0917-2バリ島などのリゾートで有名なインドネシア。国民の90パーセントがイスラム教を信仰している国です。そんなインドネシアでの出産祝いはどのようなものなのでしょうか。

インドネシアでは生後7日目にアキカと呼ばれる出産祝いのパーティーが開かれます。男の子の場合は2頭のヤギ、女の子は1頭のヤギを招待客に振る舞い、赤ちゃんの健やかな成長を祝うのです。イスラム教徒は豚肉を食べることが禁じられているので、日常的には牛肉、鶏肉、ヤギ肉を食べています。その中でも、昔からお祭りやもてなしにはヤギや鶏を丸ごと料理して振る舞っていたそうです。その風習が今でも残っているのですね。

ちなみに、キリスト教では信者になるために「洗礼」という儀式がありますが、イスラム教ではそのような特別な儀式はないため、基本的にムスリム(イスラム教徒)の家庭に産まれた赤ちゃんはイスラム教徒になります。

0917-3イスラム教の習慣であるアキカのパーティーではお客様からたくさんの出産祝いを頂きます。現金や育児用品がほとんどですから日本と同じですね。ただし、日本のように内祝いの習慣はありません。

インドネシアでは女の子の赤ちゃんは産まれてすぐにピアスの穴を開けます。ピアスをしているかしていないかで男女を見分けるためです。生まれたての赤ちゃんにピアスの穴を開けるのはとても痛そうですが、手で耳を触れるようになってからだと感染症になりやすいので、早めに開けた方が衛生的だそうです。

日本ではピアスは大人になってから開けるものですが、国が変われば文化も変わるもの。インドネシアだけでなく、女の子の赤ちゃんがピアスを開ける国は多数あります。男女の見分けや女性らしさの象徴の他、魔除けなど、国によってその意味合いも異なります。しかし、ピアスの文化を持つ国では、赤ちゃんが生まれてからの大切な儀式のひとつになっているようです。小さな女の子がピアスをしている姿はとても女らしく、大人っぽく映りますね。

長い歴史の中で産まれた儀式や風習は人々に特別な力を与えてくれるように思います。日本のお宮参りも海外の方から見れば日本らしい素敵な習慣なのでしょう。新しい文化を取り入れることも大切ですが、昔から続く文化も大切に、後世につなげていきたいものですね。

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